「返事をしない。」
「返事は『はい』ばかり。でも全然伝わっていない。」
「指示したことと、全く違うことをやっている。」
ベトナム人スタッフを雇用した経営者から、最もよく聞く言葉です。
でも「はい」の裏側に何があるか、考えたことはありますか?
この記事はランナーズVが運営しています
ベトナムで現地法人を経営する現役経営者が運営するアドバイザリーサービスです。日本から見た「ベトナム人論」ではなく、同じ現場で同じ空気を吸ってきた経営者として、あなたの悩みに向き合います。
①「はい」は「理解した」という意味ではない
📌 結論:「はい」は返事であって、理解の証拠ではない。聞き取れていなくても、わかっていなくても「はい」と言う。
日本人は「はい」と言ったら理解したと解釈します。しかしベトナム人の「はい」には複数の意味があります。
「聞こえました」「その場をやり過ごしたい」「よくわからないけど返事をした」——これらが全部「はい」として返ってきます。理解したから「はい」ではないのです。
「『わかった?』と聞くのをやめました。代わりに『じゃあやってみて』と言うようにしたら、理解度が一目でわかるようになりました。」
——私たちが現場で実践した方法
「わかった?」という質問は「はい」か「いいえ」しか返ってきません。「じゃあやってみて」に変えるだけで、理解度がその場で確認できます。
②「わかりません」が言えない理由がある→返事をしない
📌 結論:「わかりません」と言えないのは性格の問題ではない。目上の人に反論・質問することへの文化的な抵抗がある。
ベトナムでは、目上の人や上司に「わかりません」「できません」と言うことは、相手を困らせる失礼な行為と捉えられることがあります。
だから「はい」と言って、あとで困る。これは嘘をついているのではなく、その場で精一杯の誠実さを見せているのです。
「最初は『なぜ正直に言わないんだ』と思っていました。でも彼らなりに一生懸命やっていた。伝え方の問題だったと気づいてから、関係が変わりました。」
——私たちが現場で学んだ教訓
「正直に言っていい」という安心感を作ることが、まず最初にやるべきことです。
③「はい」しか言えない職場環境になっていないか
📌 結論:「はい」しか返ってこない職場は、スタッフが萎縮しているサインかもしれない。原因は経営者側にあることが多い。
厳しいことを言います。
スタッフが「はい」しか言わないのは、「はい以外を言える雰囲気がない」からかもしれません。
過去に質問して叱られた、意見を言って無視された、ミスを報告して怒鳴られた——こういった経験が積み重なると、スタッフは黙って「はい」と言うことを学習します。
私たちの失敗談:皆の前で大きな声で叱ったことがあります。その後から「はい」しか返ってこなくなりました。萎縮させてしまったのは自分だったと気づくまで時間がかかりました。
「はい」しか言わないスタッフを責める前に、「はい」以外が言える環境を作れているかを振り返ることが先決です。
「はい」を減らす3つの具体的な方法
- 「わかった?」をやめて「じゃあやってみて」に変える
- 悪い報告・質問をしてきたスタッフをその場で褒める(「教えてくれてありがとう」)
- 指導は必ず1対1・個別に。皆の前での叱責は厳禁
まとめ
📌 「はい」の裏側を理解できた経営者から、組織が変わっていきます。
1. 「はい」は理解の証拠ではない——確認方法を変える
2. 「わかりません」が言えない文化がある——安心感を作る
3. 萎縮させているのは自分かもしれない——環境を振り返る
次回は「なぜベトナム人は、突然LINEで辞めるのか——『前触れ』は必ずあった」をお届けします。
