「注意しても同じミスを繰り返す。」
「褒めているつもりなのに、全然やる気が上がらない。」
日本式の褒め方・叱り方をそのままベトナム人スタッフに使っても、思うような効果が出ないことがあります。原因は伝え方にあります。
①「よくやった」は褒め言葉として機能しない
📌 結論:抽象的な褒め言葉は伝わらない。「何が」「なぜ」評価されたのかを具体的に伝えることが全て。
日本では「よくやった」「頑張ったね」「Good Job!」で十分褒めた気になります。しかしベトナム人スタッフにとって、この言葉はほぼ意味をなしません。
理由はシンプルです。「何が評価されたのかわからない」から再現できない。再現できないということは、次も同じように頑張る理由にならないのです。
- ❌ 「よくやった」「頑張ったね」「Good Job!」
- ✅ 「今回、納期を1日前倒しで納品できた点を評価しています」
- ✅ 「先週のお客様への対応、丁寧で迅速だったと報告が来ました」
- ✅ 「報告のタイミングが的確でした。おかげで早めに対応できました」
褒める時は必ず「何を」「なぜ」評価しているかをセットで伝える。これだけで、スタッフの行動が変わります。
②叱る時は「場所」と「内容」が全て
📌 結論:皆の前で叱ることは厳禁。個別に、事実だけを伝える。人格ではなく行動を指摘する。
日本では「皆の前で叱ることで、他のメンバーへの牽制になる」という考え方があります。しかしベトナムではこれが逆効果です。
ベトナム人スタッフにとって、皆の前で叱られることは深刻な屈辱です。その後から「はい」しか言わなくなったり、急に口数が減ったりする原因になります。
私たちの失敗談:良かれと思って皆の前で指導したことがあります。翌日からそのスタッフとの関係が一変しました。個別に謝りに行くまで、溝は埋まりませんでした。
正しい叱り方のステップはこうです。
- 必ず1対1・個別の場所で行う
- 「何が起きたか」事実だけを伝える(「あなたはいつもこうだ」はNG)
- 「なぜ問題なのか」影響を具体的に説明する
- 「次にどうすればいいか」を一緒に考える
- 最後に「期待している」と締める
人格を否定せず、行動だけにフォーカスする。これがベトナム人スタッフへの指導の基本です。
③評価は「見ている」ことを伝えることが大切
📌 結論:ベトナム人スタッフが最も求めているのは「見てくれている」という実感。日頃の小さな承認が、モチベーションの土台になる。
大きな成果だけを褒めるのではなく、日頃の行動を細かく観察して承認することが重要です。
「『あなたのこういうところが凄いよね』と、日頃の行動を見て伝えると、目の色が変わります。事柄だけでなく、その人自身を見ているということが伝わるから。」
——私たちが現場で実践した方法
特に効果的なのは以下のタイミングです。
- 小さなミスを自分から報告してきた時——「教えてくれてありがとう」と即座に褒める
- 改善が見られた時——「先週より良くなっている」と変化を具体的に伝える
- 困っている同僚を助けた時——「見ていたよ」と伝える
「見てくれている」という実感が積み重なると、スタッフは自然と「この人のために頑張りたい」という気持ちになります。
まとめ
📌 褒め方・叱り方を変えるだけで、同じスタッフが別人のように動き始めることがあります。
1. 褒める時は具体的に——「何を」「なぜ」評価したかをセットで伝える
2. 叱る時は個別に——皆の前は厳禁。事実と行動だけにフォーカス
3. 日頃から「見ている」を伝える——小さな承認の積み重ねが土台になる
次回は「『うちのベトナム人スタッフは使えない』と思ったら読む記事」をお届けします。
