「昨日まで普通に働いていたのに、翌朝LINEで『退職します』と送ってきた。」
ベトナム人スタッフの突然の離職——これほど経営者を消耗させる出来事はありません。
採用コスト、育成にかけた時間、残されたスタッフへの影響。全てがリセットされる感覚です。
でも正直に言います。突然ではなかったはずです。前触れは必ずありました。気づけなかっただけです。
①「突然辞める」のではなく「突然言う」だけ
📌 結論:ベトナム人は辞める決断をしてから伝える。日本人のように「辞めようか迷っている」段階では相談しない。
日本人は「辞めようか迷っている」段階で上司に相談することがあります。
しかしベトナム人は違います。心の中で完全に決断してから、初めて伝えます。
つまり「退職します」というLINEが来た時点で、既に決断は固まっています。
その段階で引き止めようとしても、ほぼ効果がありません。
「辞めたいと言われた時は、相談ではなく報告です。引き止めるより、辞めたいと思わせない事前の行動が全てです。」
——私たちが現場で学んだ教訓
大切なのは「辞めると言われてから動く」のではなく、「辞めたいと思わせない関係を日頃から作ること」です。
②離職前に必ず出ているサイン
📌 結論:離職は突然ではない。必ずサインが出ている。気づけるかどうかは、日頃の関係性次第。
現場で見てきた経験から、離職前に共通して現れるサインがあります。
- 急に口数が減り、必要最低限しか話さなくなった
- これまで積極的だったのに、仕事への提案や質問がなくなった
- 有給休暇の取得が急に増えた(面接に行っている可能性)
- スマートフォンを頻繁に見るようになった
- 同僚との関係が急に変わった(孤立または特定の人とだけ話す)
これらは日本人スタッフにも当てはまりますが、ベトナム人の場合は変化のスピードが速いのが特徴です。
気づいてから1〜2週間で決断することが多いです。
「口数が減ったな、と感じた時が動くタイミングです。その時点で1対1で話す機会を作るだけで、結果が変わることがあります。」
——私たちが現場で実践した方法
③なぜ辞める前に相談しないのか
📌 結論:「相談しても変わらない」と思っているから言わない。信頼関係と実績がなければ、本音は出てこない。
「なぜ相談してくれなかったんだ」と思う経営者は多いです。でも逆の立場で考えてみてください。
過去に不満を伝えて改善されなかった、意見を言っても無視された、そういった経験があれば「言っても変わらない」と学習します。だから黙って決断し、決まってから伝える。
「不満を言いやすい環境を作るのは、毎日の積み重ねです。問題が起きてから作ろうとしても遅い。普段から小さな不満を拾い続けることが、離職を防ぐ唯一の方法だと思っています。」
——私たちが現場で学んだ教訓
サインに気づいたら、今日できること
- 口数が減ったスタッフに「最近どう?」と1対1で声をかける
- 不満や改善要望を聞く場を定期的に設ける(月1回でも効果あり)
- 小さな不満に対して、すぐに動く姿を見せる(「言えば変わる」という実績を作る)
- 有給休暇の取得を責めない(責めると次から隠すようになる)
まとめ
📌 離職を防ぐのは、辞めると言われた後の対応ではなく、日頃の関係づくりです。
1. 「突然辞める」のではなく「突然言う」だけ——決断してから伝えるのがベトナム流
2. サインは必ず出ている——口数・行動の変化を見逃さない
3. 相談しないのは信頼関係の問題——普段から不満を拾い続ける
次回は「叱っても伝わらない、褒めても響かない——ベトナム人に効く『評価の伝え方』」をお届けします。
